第306回地学クラブ講演会(5月)の予定が決まりましたのでお知らせします。一般(非会員)の方々も気軽にご参加下さい。多数の方々のご来場をお待ちしています。
日 時
平成30年5月18日(金)14:00 ~ 15:30
場 所
東京地学協会地学会館2階講堂(東京都千代田区二番町12-2)
交 通
東京メトロ麹町駅5出口を出て左へ徒歩1分
日本テレビ向い JR市ヶ谷駅から徒歩7分、四ッ谷駅から徒歩9分)
演 題
大阪・神戸・京都の沖積層に関するトピックス:ダイナミックな地層の解析から
講演者
増田富士雄(京都大学名誉教授)
要 旨
大阪・神戸・京都の沖積層に対する解析から読み取ることができた地層の形成過程のなかから、次のような話題や出来事を紹介する。そこには地層に記録された過去のトピックスをダイナミックな視点から読み解こうとする地層学の面白さがある。
- 数時間で70?80 cmの水深の上げ潮時の干潟上に降り積もった”鬼界アカホヤ火山灰層”:潮汐堆積物とウェーブリップルの解析から(神戸市垂水)
- 泥干潟で堆積した”海成粘土層”:これまで内湾底堆積物と考えられていた海進期の河内湾の泥層
- 堆積構造解析によるボーリングコアの地層区分(高槻市三島江):肉眼観察・粒度分析・CTスキャン画像解析を用いて
- 埋没段丘と低海面期の淀川(大阪平野・尼崎平野):滑らかな沖積層の基底面から識別できた埋没段丘と海進期の波食面
- 海進期に発達した海食崖・砂嘴システム(天満砂州・吹田砂州・和田岬):大阪湾の波浪や沿岸流がつくりだす堆積システムが特徴の沖積層
- 海岸線・底質・古水深が入った古地理図(大阪平野):新たな古地理を復元する試み,
- 神戸三宮の標高約2 mの地点で発見された江戸時代の津波堆積物:大阪湾沿岸における初めての発見とその防災的意義
- 京都市南部巨椋池の湖沼デルタ流路・洪水流堆積物・人間活動の痕跡:地下に残るデルタ流路の追跡と,湖沼底堆積物に残る洪水流の不思議な構造
- 木津川の破堤堆積物と氾濫流路:破堤洪水タイプの河川がつくった旧河道ではない流路と自然堤防ではない堆積物
- 木津川流域でみられる天井川と”天地返し”:人間による地形の改変や災害復旧の堆積物からみた作業過程