開催趣旨:「今時の恐竜事情」として、洋の東西を問わず大人も子供も関心の深い恐竜について斯界の権威に分かりやすくかつ最新の情報を伝えてもらう
日時:平成26年10月25日(土)14:00~17:00
場所:弘済会館(東京都千代田区麹町5-1)
参加者数:30名
内容:

冨田幸光(国立科学博物館地学研究部長)

「恐竜学の最近の進歩」
 1970年代以降の「恐竜温血説」と90年代後半から続く羽毛恐竜の発見がもたらした恐竜研究の最近の進歩について、この10~15年位の間にあったホットな発見・研究を紹介した。獣脚類と竜脚形類の境界、羽毛の起源はどこまで遡るか?、恐竜と鳥類の境界はどこか?、竜脚類の鼻の位置、ジラファティタンとブラキオサウルス、角竜類の起源はどこまで遡るか?、角竜類の新種続々発見などについて話された。


東 洋一(福井県立恐竜博物館特別館長)

「日本の恐竜化石について」
 日本における恐竜化石の産地を概観し、次いでご自身が深く関わられた福井県の手取層群からの恐竜化石の発掘について詳しく解説された。その中で、福井県で発見された獣脚類フクイラプトルとヨーロッパ地域の獣脚類とには類似性があり、大陸の移動、分裂と恐竜の移動が密接に関連していることを述べられた。また、日本から発見された他の恐竜群集もユーラシア大陸内の恐竜の移動との関連を議論する段階に来ているなど今後の研究の抱負を語られた。


 これらの講演に対し、温血恐竜は雪が降るような場所でも生きられるのか、恐竜に出現した羽毛の役割は保温か、飛翔か、などの質問があった。