「今時の恐竜事情」

 錦秋の候、皆様方にはいよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は東京地学協会に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。以下に述べますように、本年も秋季特別講演会を開催する予定で準備を進めております。洋の東西を問わず大人も子供も関心の深い恐竜について斯界の権威に分かりやすくかつ最新の情報を伝えてもらう企画です。

 どうぞ皆様お誘いあわせてご参加くださるようご案内申し上げます。なお、予約不要・参加費無料で、会員・非会員を問いません。

日時:平成26年10月25日(土)14:00~17:00
場所:弘済会館(東京都千代田区麹町 5-1. tel: 03-5276-0333
JR 中央線・総武線 「四ッ谷駅」 麹町出口 徒歩5分
地下鉄 丸の内線・南北線「四ッ谷駅」 1番出口 徒歩5分)

講演内容:

冨田幸光(国立科学博物館)「恐竜学の最近の進歩」

講演要旨:1970年代以降の「恐竜温血説」と90年代後半から続く羽毛恐竜の発見が、今日の恐竜研究の発展に重要な役割を果たしてきた。今回お話する「最近の進歩]では、この10~15年位の間にあったホットな発見・研究を紹介する。竜盤目の起源に関する問題、羽毛の起源はどこまで遡るか、恐竜と鳥類の境界はどこか、竜脚類の鼻の位置はどこか、角竜類の起源はどこまで遡るか、角竜類の新種続々発見などについてお話しする。

▲冨田幸光


▲エオラプトルを竜脚形類に追いやったエオドロマエウス

▲ブラキオサウルス改めジラファティタン


東 洋一(福井県恐竜博物館特別館長)「日本の恐竜化石について」

講演要旨:日本の恐竜化石産地も近年増加し、北海道から九州まで1道17県から恐竜化石の産出が知られるようになりました。なかでも、北陸地方の手取層群や兵庫県の篠山層群からの恐竜化石の産出は際立ったものがあります。最近の研究から、福井県で発見された獣脚類フクイラプトルとヨーロッパ地域の獣脚類との関連が強く考えられるようになりました。このことから大陸移動と恐竜の移動とが密接な関連があることがわかってきました。これら日本から発見された他の恐竜群集もユーラシア大陸内の恐竜の移動との関連が議論されるようになってきました。

▲講演中で紹介されるスペイン産獣脚類コンカベナトール