「日本アルプスの大規模地すべり―第四紀地形学・地質学の観点から―」

日時:平成25年7月20日(土)14:00〜15:30

場所:東京地学協会講堂

演者:苅谷 愛彦(専修大学文学部地理学教室)

要旨:日本アルプスの各地に大規模地すべり(深層崩壊)が分布する。大規模地すべりの発生予測に関する知見は最近増加しつつあるものの,地質時代に生じた事例について年代や成因を明らかにした研究はまだ少ない。日本アルプスの地形発達や景観形成を考えるうえで氷河・周氷河作用が重視さてきたが,大規模地すべりを軽視することはできないであろう。野外における地形・地質調査を中心に,テフロクロノロジーや14C年代法,宇宙線生成核種年代法などもとりいれた研究が進行している。本講演では,白馬岳周辺や黒部川源流,上高地,鳳凰三山などで得られてきた最新成果を紹介したい。