7月地学クラブ講演会「遺跡出土朱の起源」

7月18日(金)14時~ 東京地学協会講堂
遺跡出土朱の起源

講師:近畿大学理工学部生命科学科 南 武志

 

要旨:
弥生後期から古墳時代の遺跡に古代中国から伝来したと思われる朱を施す儀式が見られる。朱も当初は中国から日本にもたらされたと推察されるが、縄文時代すでに土器の彩色に使用されており、国内に存在することはすでに知られていた。そこで中国と日本の鉱山より採取した辰砂のイオウ同位体比を測定したところ、産地によって値は明らかに異なっており、遺跡出土朱の分析からその産地が推定できると考えている。古代における日本海沿岸、特に出雲を中心とした地方政権と大和政権の関係について、遺跡出土朱の分析より話題提供したい。